お金を使わない ペナルティー

これまでの講義の内容を一言でいうと、「お金を稼ぎたいなら、お金を上手に使いましょう。」ということです。

「お金を上手に使う」ことをあらゆる角度からお伝えしてきたわけですが、あなたは現在進行形でお金を上手に使うことを実践できているでしょうか?

残念ながら日本人の多くはお金を使うことに挑戦すらしようとしていません。

では日本人の多くは何をしているのかというと「貯蓄」です。日本人の大多数は、お金を自分で使うことを最初から放棄しているのです。野球に例えるなら、バッターボックスにすら立っていない状態です。

そして実は現在の資本主義においては、お金を使わない場合には「ペナルティ」が課されることになっています。

つまりお金を使わない人は、本人が意識しているかに関係なく「損」しているのです。今日の講義では「お金を使わないペナルティー」について解説します。

貯金のリスク

お金を使わないペナルティーとは、「お金の価値が目減りする」です。つまりお金を使わずに貯金すればするほど資産価値は目減りするのです。

詳しく説明せずとも、スーパーやコンビニなどで買い物をする人なら、「最近、値上げが多いなぁ」ということを実感しているのではないでしょうか?

つまり10年前であれば1万円で買えていたはずのものが、買えなくなったということです。つまりお金の価値は目減りしているのです。

お金の価値が目減りすることは、労働者としては嬉しくありません。なぜならば、血と汗と涙の結晶である給料の価値が目減りすることを意味しているからです。

しかし政府は『お金』の価値を目減りさせようと必死になっています。日本銀行は円をジャブジャブに刷って(量的緩和政策)、1円あたりの価値を目減りさせようと躍起になっています。

1円あたりの価値が目減りするということは、対外的には「円安」になるということです。円安になるということの意味は、日本人にとっては深刻すぎるほど深刻です。

なぜならば資源を海外からの輸入に依存する日本においては、『円安』は電気水道ガスの料金値上げに直結するからです。

電気水道ガスのコストが高くなるということは、あらゆる商品・サービスの製造コストが高くなるということです。

製造コストが高くなれば、いつか必ず商品価格は値上げされます。実際問題として、令和に入ってからあらゆる商品・サービスの値上げラッシュが続いています。(「お菓子の内容量が少なくなる」等のステルス値上げも含む)

なぜ?圧倒的大多数の日本国民にとって好ましくない「円の値下げ」を政府が主導するのかというと、、、、、、「政府の借金も目減りするから」です。

日本政府は毎年借金し続けています。ですから日本政府にとっては、借金は目減りしたほうが嬉しいのです。(前回の講義の最後で、借金の1円も、貯金の1円も、同じ1円であることを強調してお伝えしたことを思い出して下さい!)

つまり日本政府は、国民の貯金の価値を目減りさせる一方で、政府の借金も目減りさせているのです。

しかもお金の価値が目減りしているのは世界規模での話なのです。世界中でインフレ状態(お金の価値が目減りする流れ)が進行しており、この流れは今後も続くでしょう。

以上の話を理解したなら、「貯金をする」ことのリスクをハッキリと認識できたことになります。

さて、、、、、この時点でもしかしたらあなたは混乱しているかもしれません。

なぜ混乱するのかというと、「将来のために資金が必要だ!!だからなんとかしたい!!」と思っているのに、「お金を使え!」、「貯金するな!」と、目指すべき方向性とは逆のアドバイスされていると感じるからです。

もしあなたも混乱しているのであれば、「資産構築のゴールを間違えている」可能性が極めて高いので注意する必要があります。

おそらくそういう人は、金融庁が「老後資金は最低でも2,000万円足りない」という報告書を出した報道を耳にして、「我が家は2,000万円貯金できるかしら?」と無意識に思い込んでしまうのですが、実はもうその時点で「間違っている」のです。

次回の講義では、何を間違っているのか?という点を明らかにしたいと思います。