お金への恐怖

お金を稼ぎたいなら「お金を上手に使う」ことが重要であることを解説しました。

「お金を上手に使う」ことを説明する「魅力的な提案」があれば、無理せずとも自然とお金が集まるのが「資本主義の摂理」であることも解説しました。

魅了的な提案を「銀行」にすれば「融資」が実行されるでしょうし、魅力的な提案を「見込み客」にすれば「売上」を達成できるでしょう。

さて、人間誰しもお金に困ると「お金が欲しい」という気持ちが強くなるものですが、そういう人ほど実際にお金を手にすると「喜び」よりも「恐怖」を感じるものなのです。

期待より大きな売上を確保すると「儲けすぎたんじゃないか?」とドキドキしたり、銀行から開業資金を借り入れると「返せなかったらどうしよう・・・」などと落ち込むのです。

実は以前の講義のなかで、「大きな売り上げ」という恐怖への対処法についてはすでにお伝えしています。

「お金は見込み客から預かっているものだ」という発想があれば、むしろ預かったお金を元手にして、顧客に付加価値を提供することに集中しなければいけないことに気付くことができるはずです。

しかし「借金」という恐怖への対処法についてはお伝えしていません。おそらく借金に対する恐怖を払しょくしなければ、あなたは大きなチャンスを逃すでしょう。

ですから今回は借金に対する恐怖を払しょくしてもらうべく、講義をしたいと思います。是非とも最後までお付き合いください。

できるだけ借金せよ!!

ビジネスにおいて、特に創業して間もない時期にはおいては、「借金」が重要になります。

しかしビジネス初心者ほど、「魅力的な提案」があるのに、できるだけ『少なく』借りようとします。ビジネス初心者にとって借金に対する恐怖は並大抵ではないようです。

とはいえ戦争に例えるならお金は『武器』です。竹やりよりも刀、刀よりも拳銃、拳銃よりもライフル銃、ライフル銃よりもロケット、ロケットよりも戦車、戦車よりも戦闘機のほうがいいに決まっています。

だから「借りるだけ借りたほうがいい」のです。それがビジネスで成功する秘訣です。お金にビビっている場合ではないのです。

しかし「借金を怖がるな!!」ということをどれほど強調しても、「でも借金って、怖いんでしょ?」という意識はなかなか消えません。そこでもう少し『借金』について詳しく解説したいと思います。

#1 借金は返済しなくていい

金融機関からビジネス目的で借りる資金は、クレジットカードローンとは別物です。

クレジットカードローンは「あなた」に返済する義務がありますが、ビジネスに対する融資は「法人」に返済する義務があるのです。

ビジネスにおいてはルールどおりやっている限り、たとえ事業に失敗してもセーフティーネットで救われるようになっていることは覚えておくべきです。

具体的に、ルールとは民法・商法・税法であり、セーフティーネットとは『清算』です。清算とは会社を解散処分することで、その時点でどれだけ借金が残っていようとすべて帳消しになります。

しかも個人が自己破産する場合には、名前が官報に載ったり、金融機関からの借金ができなくなったり、一部職業にも制限が課されるなどの制裁処置が課される一方で、清算の場合はそういった制裁措置は一切ないのです。

#2 自己破産は迷惑ではない

「自己破産は申し訳ない」という気持ちがあるかもしれませんが、金融機関からの融資の場合には、借金を踏み倒してもそれほど問題は大きくなりません。

なぜならば金融機関は「無からお金を生み出す機関」だからです。銀行は自己資本の約8倍のお金を貸し出すことが許されています。

例えば銀行に100万円の自己資本がある場合、銀行は800万円まで貸し出すことができます。つまり700万円は無から生み出されたことになります。

「無からお金を生み出す」仕組みは、『信用創造』というネーミングで、義務教育の公民の教科書で勉強することでもありますので、ご存知の方も多いはずです。

要するに銀行は100万円の自己資本で、無から生み出した700万円を加えた800万円を貸し出すのですが、驚くべきことに、、、、金利は800万円分請求するのです。濡れ手で粟とはこのことです。

ですから銀行の立場からすれば、全額返済してもらわなくても金利を何回か支払ってもらえば損はしないのです。

むしろ自己破産する個人や、清算する法人が一定数いることを見込んだ上で金融機関は「金利」を設定しているので、はじめから「損しないビジネスモデル」なのです。

しかし以上の理屈は、「サラ金」や「友人・知人」には通用しないので注意する必要があります。

サラ金は自己資金100万円で100万円を貸すビジネスですから、あなたに貸したお金が返済されなければ100万円丸々損をします。だからサラ金の回収は厳しいのです。

ですからお金を「サラ金」や「友人・知人」から借りることはおススメしませんし、もし本当にサラ金業者に頼らなければいけないほど追い詰められたなら、きちんとギブアップ(清算)しなければいけないのです。

#3 税金がかからない

ビジネスに初めて挑戦する場合、国の金融公庫から「創業資金」を融資してもらうことを強くおススメします。

「創業資金」とは要するに、国が税金を使ってあなたにチャンスを与えてくれるという意味です。

行政書士や公認会計士に相談にのってもらえば、公庫の審査を通過しやすくなるコツを教えてくれますし、成功報酬型で丸ごと審査のやり取りを請け負ってくれる業者までいます。

しかも創業融資はちゃんとした国の制度なので、無担保・無保証であることに加えて非課税であることも大きなメリットです。

例えば創業資金が500万円必要だとして、毎月10万円積み立てる場合でも4年以上かかります。その一方で創業融資なら2か月前後で500万円がサクッと融資されることも珍しくないのです。

冷静になって考えてみてください。

自分で積み立てたお金でビジネスが失敗したら、そのお金は返ってきませんし、ビジネスに挑戦している最中も「汗水垂らして4年以上頑張ったお金を失うかもしれない。」という恐怖で冷静さを失う可能性が極めて高いです。

国も銀行も「魅力的な提案」の持ち主を全力で探していますし、バックアップしたいと思っています。それほど恵まれた国はわたしの知る限り「日本だけ」です。日本人であることにもっと感謝すべきです。

#4 リスクコントロール

以上、借金をすることのメリットを語りましたが、それでも「借金したくない」という気持ちが消えない人がいます。

そういう人はおそらく「借金すべきだなんて信じない!なぜならば脱サラして借金抱えて苦しんでいる人は沢山いるじゃないか?」ということを指摘したいのだと思います。

脱サラし多額の借金をして意気揚々と起業するも失敗し路頭に迷う。。。。という「よくあるストーリー」を鵜呑みにしてしまっているのだと思います。

しかし誤解を恐れずいうと、そういう人は「お金の使い方が下手」だっただけなのです。

わかりやすい事例は住宅ローンです。例えばあなたが2,000万円住宅ローンを組むと、その2,000万円は建築業者などに支払われるため、あなたの手元には1円も残りません。

事業(ビジネス)における借金を住宅ローンのように使ってしまえば、確かにリスクだからけです。お金に困る生活から抜け出したい一心で借金までしたのに、結果として豊かになったのは「あなたの支払先だけ」ということにもなりかねません。(悲惨すぎる・・・・)

ですから借金をするにしても「使い道」が極めて重要なのです。お金の使い方が上手であれば、むしろ会社を潰すほうが難しいということがわかるはずです。

事例を挙げたほうが理解がしやすいと思うので、先日出会った「バイクおじさん」の話をします。

実はわたしの父は「バイクのオタク」です。わたしの父よりバイクについて詳しい人はおそらく日本にそれほどいないと思います。それくらいバイクに詳しいです。

そんなわたしの父がある日、ネットでバイクを探していると、「おぉ~~!!」と叫び声をあげて興奮していました。

話を聞いてみると「とても値打ちのあるバイク」を、たまたま見つけてしまったのだそうです。父はすぐにバイクの持ち主に連絡し、遠く離れた土地までわざわざ出向いて現物をチェックし、かなりの高値で購入することを決断しました。(父はそれでも安いと断言していた!!)

今回注目してほしいのは「そのバイクの持主」(バイクおじさん)です。バイクおじさんは、お金の使い方が上手です。なぜならば、バイクを仕入れて高値で売って利益を出したからです。

借金をしてお金を使ったとき、そのお金はどこにいくのか?ということは注意しなければいけません。バイクおじさんは「お金」を「値打ちのあるバイク」に変えました。

もしお金が欲しければ????「値打ちのあるバイク」を「お金」に変えればいいだけです。

つまり「お金の使う」というと、「浪費する」とか「投資する」という発想しかない人も多いのですが、「お金をモノに変換してプールする」という発想もあるということです。

もちろんバイクおじさんが、お金の使い方が下手であれば「すぐに値崩れするバイク」を購入した結果、損をするでしょう。だから繰り返し「お金の使い方が重要だ!」ということを繰り返しているのです。

以上のように考えてみると、多くの人が下手くそなお金の使い方をしている事実に気付くはずです。

例えば日本人は「新築住宅」が大好きです。しかし新築住宅は購入した翌日には「新築じゃない」というだけで、価格が2割から3割目減りすることも珍しくありません。

果たして、新築住宅を購入するのは「上手なお金の使い方」でしょうか?

お金の使い方が上手なのは「あなた」ではなく、むしろ「新築神話」を創り上げた不動産業界であることに気付くことができれば、、、、、、、、

あなたはお金に恐怖を感じている場合ではなく、むしろ今よりも真剣にお金の使い方に向き合わなければ「損をする」という事実に気付くことができるのではないでしょうか?

最後に

借金の1万円も、給料の1万円も同じ1万円です。

「借金が怖い」という人は自ら「わたしはお金の使い方が下手くそです。」ということを告白しているようなものです。

借金が悪いのではありません。お金の使い方が下手であることが悪いのです。

是非とも借金に対する恐怖は払しょくしてください。借金に対する恐怖を払しょくしない限り、たとえ宝くじで1億円当選したとしても、あなたはお金を減らすことしかできないでしょう。

もちろん頭で理解することと、行動に移すことには大きな隔たりがあることは理解しています。

しかしハッキリしていることが一つだけあります。それは「お金を上手に使わないと損をする」ということです。

次回は「お金を使わない」という選択がいかにリスクだらけであるか?ということについて詳しく解説します。お楽しみに!