まずはこれまでの講義内容をサクッとおさらいしておきましょう。
「将来お金に困らないためにはどうすればいいのか?」という問題意識からスタートし、「お金に困らないためにはどうすればいいのか?」ということを解説してきました。
お金に困らないためにはどうすればいいのでしょうか?
あなたなら即答できるはずです。そう、、、「お金を上手に使うこと」ですよね。
あなたの「お金を上手に使う」スキルが高ければ高いほど、あなたがお金を使うことが誰にとっても合理的な選択肢になりますので、商売をすれば『売り上げ』が達成できるし、銀行に相談すれば『融資』が得られるのは自明の理なのです。
しかし前回の講義では「貯金すれば価値が目減りする」ということを明らかにしました。
つまり現時点では、「お金を上手に使えばお金に困ることはない。しかしお金を貯金しても損をする。」というところまで解説しました。
せっかく頑張って手に入れたお金を貯金しても損をするというのであれば、、、、、一体全体、、、、、どうすればいいというのでしょうか?
ズバリ答えはまたもや「お金を上手に使うこと」に尽きるのです。どういうことか詳しく説明します。
何億円も稼いでいたあの有名スポーツ選手(芸能人やタレント含む)が、貧乏な暮らしを強いられている。。。というショックなニュースを見聞きしたことはありませんか?
なぜ?落ちぶれてしまったのか??というと、、、ズバリ「資産を構築しなかったから。」なのです。
つまりお金は「資産」に変換しなければいけないのです。ということは「お金は資産ではない」のです。では資産とはなんでしょうか?
資産の定義は、いろいろありますが、わたしが一番わかりやすいと思っている定義を紹介します。
資産とは「売却したら儲けが出るもの」です。この定義に従って、何が資産で何が資産でないかを見分けていきたいと思います。
お金は資産でしょうか?
すでに答えは申し上げていますが、お金は資産ではありません。なぜならば「お金」は珍しくないからです。
日本ではむしろ使われもしないお金がどんどん生み出されています。つまり日本では「円」は不良在庫のように扱われているのです。
実際問題、日本のお金のほとんどは日本銀行に眠っています。具体的な数字を紹介すればもっとハッキリします。
日本に流通している『紙幣』は約108兆円、貨幣は約5兆円、そして日銀当座預金は約400兆円です。(2019年5月時点)
日銀当座預金とは、日本の民間銀行が中央銀行である日本銀行に預けているお金のことです。
日本政府は「銀行にお金に貸し出す余力があれば、借金する人がどんどん増えて景気が刺激される」という青写真を描いていましたが、残念ながら日本政府の期待通りにはなりませんでした。
むしろ大量に不良在庫化した結果、円の価値は目減りし続けていることは、前回の講義で解説したとおりです。
新築物件は資産でしょうか?負債でしょうか?
日本は新築物件を購入するペナルティーが先進国の中でももっとも高い国として知られています。
日本では新築物件を購入した翌日には、「新築ではないから」という理由だけで2割~3割ほど下落します。
つまり新築物件は資産ではなく「負債」になる可能性のほうが高いのです。
ブランド品の高級バックなどは「浪費」を思われがちですが、必ずしもそうではありません。
ブランド品などのなかには、値上がりが見込めるものもあります。ですから購入する時点で、「将来値上がりするか?値上がりしないにしても値崩れしないか?」ということを考えることが大切になります。
資産になるのは、目に見えるものだけではありません。
「知名度」、「芸」、「信用」といったものも、立派な資産になります。
例えば「一発屋」などと揶揄されるお笑い芸人であっても、地方のイベントにはひっぱりだこということもあります。
東日本大震災の時、疎開先をすぐに見つけることのできた人もいれば、そうではない人もいました。
疎開先をすぐに見つけることのできた人は、それまでの人生でキチンと人間関係を構築してきた人です。
人間関係を続けることは面倒なこともありますし、コストもかかりますが、いざという時に頼りになるのは、お金ではなく「人間」だったりもします。
資産とは「売却したら儲けが出るもの」であると定義しました。
わたしがこの資産の定義を気に入っているのは、この定義のなかに資産構築のコツが含まれているからです。
勘のいい方ならお気づきだと思います。そう。「売却したら」の部分が、資産構築のコツになります。
つまり資産構築できない人は「買う」ことに焦点を当ててお金を使うのですが、資産構築が上手な人は「売る」ことに焦点を当ててお金を使うのです。
例えば資産構築が下手な人は「どの株を買えばいいですか?」というような質問ばかりするのですが、肝心なのは「売るタイミング」や「売る戦略」だったりします。
新築物件だから資産になるわけではなく、高級ブランド品だから資産にあるわけでもなく、「売る」ことで儲けになるものが「資産」なのです。
「断捨離」に興味のある人は少なくありませんが、資産構築が上手な人は断捨離なんてする必要ないのです。
なぜならば「最初から無駄なものを購入していないから」です。
むしろ資産構築が上手な人は、好き好んで資産を売却しようとは思わないはずです。
なぜならばすでに解説したとおり、世界的にお金は余っており、お金の価値は今後も目減りしていくため、お金と比べた時の『資産』の相対的な価値は、今後も上昇し続けることが予想されるからです。
これまでの講義をマジメに受講してきたあなたら、「貯金がほとんどできないこと」に恐怖を感じないはずです。
毎月の支払いがカツカツでもいいのです。貯金がなくてもそれほど心配することではないのです。むしろ恐れるべきは「お金を使っているのに資産が構築できないこと」なのです。
貯金だけでなく、借金に対する見方も変わったはずです。借金が悪いのではないのです。借金を恐れるなら、お金の使い方が下手くそな自分のスキル不足を呪うべきなのです。
さて、、、、、あなたはこれまでの講義で、ほとんどの日本人が死ぬまで知らないかもしれない「資産構築の知識」を手に入れました。
資産構築の真髄が「お金を上手に使う」ことにあることを、あなたは「お金に困る一生を送る普通の人」よりもずっと深く理解できたはずです。
あとはあなた次第です。もしお金を使うことの重要性に気付いたら、お金を使うことの難しさに気付いて困惑するでしょうが、それでいいのです。
わたしがお金について無知だった頃、資産家が「お金は稼ぐよりも使うことのほうがずっと難しい」ということをわたしに教えてくれましたが、当時のわたしはその意味が全くわかりませんでした。
ですから「意味がわかる」ということだけでも、あなたにとって大きな前進だったと思います。あとは実践を重ねながら「少しずつお金を使うスキル」を磨いてください。
あなたが資本主義の世界で生きる以上、お金を使わないで暮らすことは難しいはずです。つまりあなたはもう逃げられないのです。
何から逃げられないかというと、、、、、毎日毎日お金を使うたびに「わたしはお金を上手に使えているだろうか?」と自問自答する毎日から逃げられないということを言いたかったのです。
どうぞ「お金を上手に使う」ことから逃げないでください。立ち向かってください。あなたの幸運を祈って終わりにしたいと思います、、、、、といいたいところですが、、、、、
ここで終わるのもさみしいので、次回はもっと高い次元からこれまでお話してきたことをまとめていきたいと思います。お楽しみに!